コード・テンション講座4〜テンションの組み合わせ〜


コードテンション講座 第4回〜テンションの組み合わせ〜

講師:小谷野謙一




最終回の今回は、
今まで紹介したドミナント7に使えるテンションの、
美味しい組み合わせについてご紹介します。

テンションにはそれぞれ、独特の色を生み出す魅力がありますが、
それらを組み合わせることで、更に新しい響きをもたらします。

これまでのおさらいではありますが、
ドミナントに使用できるテンションは、
9th、b9th、#9th、#11th、13th、b13thの6種類。

この中から、筆者お気に入りの美味しい組みわせを、
3つ紹介していきます。

複数のテンションを使用する際に注意点があります。

同じ数字のテンション、例えば「9th」「b9th」「#9th」は同時に使用できません。

同じく13系のテンションも同時には鳴らせません。

また、ボイシング(音の積み方)は、楽器やアレンジによって、
テンションを重ねる順とは異なったり(例えば13thが9thより低い音域に配置される事もある)、
3rdや5thよりも低い音域に配置されるケースもありますので、
この事も加えて憶えておいて下さい。


★お洒落なb9thと13thの組み合わせ★

最初に紹介するのは、
マイナーを感じさせる「b9th」とメジャーを感じさせる「13th」の組み合わせです。

ドミナント7のコードをG7で例えると、
コードの構成音はG(ルート)、B(3rd)、D(5th)、F(7th)になり、

テンションb9thはAbになり、13thはEになります。

※注:G7のコード内でのEの音は6thと同じですが、
「6thは7thの代わりに使用する音」なので、既に7thが存在するコード「G7」の中では
13thに扱われます。

コードネームの書き方は、
G7の右上にカッコでくくり、テンションの数字を縦に重ねて記入する事が多いですが、
音楽サプリでは表示の都合上、
「G7(b9、13)」と、カッコの中に横に並べて表示します。


b9thが加わると、ドミナント・コードはしなやかな響きになります。
一方、13thが加わると、ドミナントは、エレガントで輝かしい響きになります。

この二つが組み合わさることで、相反する「しなやかさ」と「エレガントさ」が、
お互いを高め合うような不思議な魅力が生まれます。

このコードの響きをⅡーⅤーⅠのコード進行で、

聞いてみましょう。

 
 
いかがでしょう?
古き良き時代の映画音楽にも良く登場する響きです。

テンションが加わった時の感じ方は人それぞれですので、
自分なりの感じ方で捉えて見てください。


★ジャジーな#9thとb13の組み合わせ★

2つめはスリリングな「#9th」と、
しっとりとした高級感を生み出す「b13」の組み合わせです。

ドミナント7のコードをG7で例えると、
コードの構成音はG(ルート)、B(3rd)、D(5th)、F(7th)になり、

テンション#9thはA#になり、b13thはEbになります。

コードネームの書き方は、
先ほど紹介した方法と同じですが、
音楽サプリでは表示の都合上、
「G7(#9、b13)」と、カッコの中に横に並べて表示します。

スリリングな感じがある#9の一方で、
しっとりとしたb13thが加わると、
非常に複雑なジャジーさが生まれます。

2つのテンション共に、マイナー・キーを感じさせるテンションですが、
メジャー・キーの中でもスパイスのように使って魅了的な効果が狙えます。

このコードの響きもⅡーⅤーⅠのコード進行で、

聞いてみましょう。
 
 
★エキサイティングな「9th」と「#11」と「13th」の組み合わせ★

最後は3つのテンションの組み合わせです。

煌びやかな9thと、高揚感のある#11th、
そしてエレガントな13thの3つの組み合わせです。

ドミナント7のコードをG7で例えると、
コードの構成音はG(ルート)、B(3rd)、D(5th)、F(7th)になり、

テンション9thはAになり、#11thはC#、13thはEになります。

コードネームの書き方は、

先ほど紹介した方法と同じですが、
音楽サプリでは表示の都合上、
「G7(9、#11、13)」と、カッコの中に横に並べて表示します。

テンションだけ抽出するとAメジャーのコードと同じになり、
G7の上にAが乗っているような複雑な響きです。

3つのテンションそれぞれの要素が交わった、
とてもエキサイティングな響きになります。

このコードはメジャー・キーを感じさせるコードですね。


このコードの響きもⅡーⅤーⅠのコード進行で、
聞いてみましょう。

 
 
★まとめ★

ドミナント7のコードに使えるテンションについて
4回にわたって紹介してきました。

大切なのは、「各テンションがどのような響きを生み出すのか?」を

しっかり把握することです。

間違っても、「沢山いれればスゴイ」と誤解しないで下さい。

曲調やコード進行の流れで「どの響きが必要なのか」を見極め、
それぞれのキャラクターを采配する事が大切なのです。

以上の事に留意して、是非ともテンションの使いこなしにチャレンジしてください!


※今回の音楽サプリは、
サプリの性質上、課題はありませんが、
ご自身で作曲・アレンジした楽器曲のコード進行、
特にテンション部分について、講師から添削が受けられます。
(マスタードの有料会員の方のみ​)

対象となる楽曲の尺は8小節分になりますので、
「楽曲の何分何秒〜何分何秒の部分を添削してほしい」
という形でご質問下さい。


投稿は通常の質問欄からご送付下さい。

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